経済ニュースで知るスリランカ 〜 2020年7月19日

アーユーボワン!

7月14日のニュースで、
「スリランカでは 3時間に 1人、交通事故の犠牲に」
と紹介しましたが、鉄道事故でも 1日あたり 4人が犠牲になっていると。

スリランカのコロナ関連ニュース

今朝の時点で、スリランカ国内の感染者 2,704人(前日比 7人増)、死者 11人(増減なし)。

カンダカドゥ麻薬受刑者リハビリセンターの
感染者と接触があった 4人の感染が、
コロンボ南東ホマガマで判明。

教育省は、7月24日まで 1週間の学校休校延長を決定。
一部学年は 7月27日から再開。

スリランカのビジネスニュース

輸出開発委員会(EDB)は、2020年6月の輸出実績を発表。
同月の輸出額は、前年同月比 16.4%減の 9.06億米ドル。
ロックダウン後の 2020年5月の急回復を継続。
このうち、個人防護具(PPE)関連が 1.06億米ドル。

「スリランカは本当に中国の『債務の罠』の被害者なのか?」
ハンバントータ港の中国へのリースは、
中国からの債務だけの問題ではない、との寄稿。

・スリランカは、中国の融資によるインフラプロジェクトの結果、債務の罠に陥った国として描かれることが多い。その一つがハンバントータ港であり、2017年に中国 China Merchants Port Holdings Co., Ltd (CMPorts) に11.2億米ドルで99年間のリースに出された。
 一般的には、スリランカが同港建設のために中国から得た債務を返済できず、返済のために中国の管理下に引き渡さざるを得なかった、とされている。

・しかし、問題は、対外債務の返済コストが高騰しているにもかかわらず、長年にわたる貿易減少により国際収支危機が続いていること。スリランカは、国際ソブリン債の償還期限が迫り、深刻な外貨準備不足に直面しており、外貨獲得・外貨準備拡大にあらゆる手段を模索しなければならなかった。同港のリースはその方法の一つ。
リースに出したが同港建設のローンは償却されておらず、政府は当初契約通りのローン返済を約束。リースで得た資金は、2017〜18年にスリランカの外貨(米ドル)準備金強化に使われた。

・2017年時点、スリランカの対外債務の39%が国際ソブリン債。
 特定の開発プロジェクトへの譲歩的ローンとは異なり、満期時には一括返済が必要で、外部債務コストが大幅に増加。対外債務の返済資金調達に十分な外貨の流入(輸出・FDI・対外債務(借入)など)が必要だが、スリランカは輸出やFDIを増やせていない。むしろ、対GDP比輸出率は、2000年の39%から 2017年には21%まで低下。
・確かに、インフラプロジェクトへの多額融資により、中国による対外債務は大幅に増加しているが、中国を考慮しなくとも、スリランカは対外債務・国際収支の持続可能性への深刻な懸念に直面。
スリランカの債務危機は、政府が、貿易縮小・保護主義強化・政府収入減少など構造的な問題の解決に失敗し続けているにもかかわらず、国際資本市場から商業金利で借入を行ったことに起因。

Kida
Kida

中国のトラップ云々の前に
構造問題である、と。
経済・輸出の強化、外国投資誘致などなどで
外貨獲得できるようにならんと解決にならず。

スリランカ輸出商工会議所(NCE)は、
日本投資家を誘致を促進。

・NCEは、グローバル投資家が中国から他国へのシフトを模索するなか、日本投資家のスリランカ誘致プログラムを開始。多くのスリランカ輸出企業が関心を寄せ、17社以上が登録。
・統計によると、日本企業は国外への投資がより多く、企業の貯蓄に裏付けられた大規模ポートフォリオのリターンは大半の先進国経済よりも高い。
・NCEは、輸出促進のため、輸出業者ディレクトリと輸出ブランドを紹介するオンラインマガジンを立上げ予定。会員企業が製品や分野を多様化し、ニッチ市場に対応するよう奨励。

Kida
Kida

中国からシフトする企業を捕まえてこい、
というのは、政府内からも聞こえてきます。

「なぜスリランカか」
その魅力を作っていかないと。

経済発展には製造業強化を。

・国の躍進には、農業・製造業・サービス業の成長が不可欠。
 スリランカ経済では、サービス部門の貢献度が最も高く、製造業が2番目。しかし、製造業のポテンシャルは、現状をはるかに上回る。
 工業化は、農業・サービス業よりも多くの雇用を提供でき、国の発展に重要なイノベーションを促進できる。

歴史を顧みると、スリランカの製造業は1970年代までは繁栄。
 この世代は、セメント・製鉄・セラミック・紙・皮革・自動車用タイヤ・繊維・砂糖など、国内需要のほぼ 100%を満たすメガ産業の成功を目の当たりにしてきた。当時、これら大規模製造業はすべて国有企業。外貨は貯蓄のうえ必需品のみに利用され、今日のように非必需品には利用されなかった。しかし、1977年の経済政策自由化によって、この成功時代は終焉。
・多くの国営企業を民営化、外国人投資家を招致、産業特区を導入するとともに、国による主要製品への統制は自動的に消滅。自由化が経済に有益だったかどうかは、議論せねばならないが、メリットとデメリットがあったと筆者は考える。

・政府は外貨流出抑制に、何百もの非必需品の禁止と輸入制限を導入。
 国内経済界は、禁止・制限リストのほとんどの製品を、スリランカ国内で原材料を調達のうえ、同等かそれ以上の品質レベルで生産可能と断言。
・輸入制限が外貨準備強化に役立つと同時に、スリランカ製造業者の事業拡大・多様化に役立つことがより重要。利益に加え、相当数の雇用提供となる。
・旧商工省は、「中小企業ビジネス開発・産業・サプライチェーンマネジメント省」と改められた。同省のタスクとされている、産業部門の振興と発展のためのインフラ設計・策定・調整・実施などを、どれだけ効果的かつ効率的に実施できるか、産業界と国民に重要となる。

Kida
Kida

50年前の成功、制度がどこまでホンモノか、
は勉強する必要がありますが、
パッと見では、国営企業主導の経済、とか、
自由化や外資導入の否定、とか、
ちょっと今とは合わなさそう。

国内生産できるのであれば、
なぜしてこなかったのか?
なぜしなくなったのか?
農業でも同じ疑問が。

スリランカのポリティカルニュース

アイルランド:一人あたりGNI 62,210米ドル
スリランカ:一人あたりGNI 4,060米ドル

両国の閣僚の移動の様子。

スリランカ海軍は、インドとスリランカの間の
北方海域での監視活動を強化。

インドに居住するスリランカ人タミル難民、スリランカに逃亡するインド人密輸業者が、インドでのコロナウイルス蔓延とともに増加しており、これに対処。
・最近逮捕されたジャフナの麻薬密売人はインド人と取引をしており、コロナ感染の疑いがあった。
・インドからスリランカに船で密入国させる大規模集団の存在が明らかに。
 インド人漁師グループは 3〜4万インドルピー(約43,000 〜 53,000円)でこれを請負。

人生にはムダも必要、な情報(今日のムダ)

寂しいね。

ストゥティ! (ありがとう!)

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