【BBC 報道】スリランカ大統領私邸への抗議が暴徒化 〜 2022年4月1日

・1日13時間の停電、燃料や食料品、医薬品の不足に直面し、国民の怒りは頂点に達している。
大統領私邸前の抗議デモ行動は平和的に始まったが、警察は催涙ガスや放水銃を発射、参加者を殴り、事態は暴力に向かった。
 デモ参加者は投石、私邸へ続く道路上のバリケードを突き破り、バスに火を放った。
 警察は45人を逮捕。夜間外出禁止令を発令。

抗議デモの発生は、2019年に国の安定と力強い支配を約束して政権についたラージャパクサ氏の人気の大転換を意味する。
専門家は、彼の兄弟や甥が大臣ポストを占める汚職と縁故主義を、現在の苦境の大きな理由の1つとして指摘している。大統領や閣僚が停電を免れているというニュース、一族の裕福さの誇示が国民の怒りを増幅させる。
・政府はこの経済危機の原因を、観光客の大幅な減少のせいだとしている。
 しかし専門家は、
「経済危機は数十年間積み重なった結果の崩壊であり、例によって責任を取る者は誰もいない。現政権は、2019年の政権奪取後、まったくの無能と傲慢、腐敗で危機を招いた直接の責任がある」と述べる。

・ウィジェワルダナ元中央銀行副総裁は、
「2000年にGDPの33%を占めていた輸出は、現在では12%にまで落ち込んでいる。スリランカ経済を世界経済に統合しなかったことが根本的な間違いだった」と述べた。
・政府はルピー安を拒否し続け、外貨準備高が打撃を受けた。19年末に76億米ドルあった外貨準備高は、現在では23億米ドルまで落ち込み、うち使用可能な外貨は3億米ドル程度のみ。
 同元副総裁は、スリランカは輸入依存度が高く、事態は良くなるどころか相当悪化すると考える。
・輸送や発電用の燃料など、必需品を購入する外貨がない。毎日の計画停電は長くなり、3月31日(木)には13時間、今後数日間は16時間の停電が予想されている。

・このため、何百万人もの人々のビジネスや教育、日常生活に支障をきたしている。
 ガソリンスタンドには長蛇の列ができ、調理用ガスなどの購入に炎天下で何時間も並ばなければならない。この数週間で、5人の高齢者が長時間の行列中に倒れ、死亡した。
 食料品や医薬品の不足も全国で報告されている。

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