【AFP 報道】スリランカ経済危機深刻化、街頭抗議デモ 〜 2022年4月1日

・前例にない経済危機への怒りで数百人が大統領私邸に押し入った翌日の4月1日(金)、抗議デモ参加者が国中の主要道路を封鎖、街頭抗議デモが発生。
・1948年のイギリスからの独立後、スリランカは最も苦しい経済危機にあり、生活必需品の深刻な不足、急激な物価上昇、不便な停電に直面している。

4月1日(金)夕方には、数十人が手書きのプラカードとオイルランプを持ち、交通量が多い交差点で抗議デモを行った。
 プラカードには「ラージャパクサ一族は辞める時だ」「もう汚職はたくさんだ、Go Home Gota」と書かれる。
・中部の高原ヌワラエリヤでは、花展示会開会式へのマヒンダ・ラージャパクサ首相の妻シランティの出席が妨害された。
 南部のゴールとマータラ、コロンボ南部モラトゥワでも反政府デモが発生、北部と中部でも同様のデモが報告された。いずれもデモ隊が幹線道路を封鎖した。

・3月31日(木)夜、大統領私邸外での騒動では、数百人大統領の退陣を要求した。
 人々は「狂人、狂人、帰れ」と唱え、警察が催涙ガスと放水銃を使用。群衆は暴力化し、軍用バス2台、警察のジープ1台とオートバイ2台、トゥクトゥク1台を燃やした。また警官にレンガを投げつけた。
 警察の発砲で少なくとも2人が負傷したが、実弾かゴム弾かは不明。警備車両に轢かれて4人が負傷。
 警察は53人を逮捕したと発表。報道カメラマン5人も拘束され、警察署で拷問を受けたという。

・ラムブクウェラ保健大臣は、
「大統領夫妻は抗議デモ当時私邸にいた。デモ開催の情報はあったが、暴力的になるとは予想しておらず、情報の失敗で大統領夫妻の命に危険が及んだ」と述べた。
・大統領府は、デモ参加者は「アラブの春」を起こそうとしたと述べている。
抗議デモの共通要求は、権力者ラージャパクサ家全員の退陣。
 大統領の兄マヒンダは首相、弟のバシルは財務大臣を務める。長兄と甥も閣僚に名を連ねる。

4月1日(金)に発表された最新データによると、コロンボの3月のインフレ率は18.7%に達し、6か月連続で過去最高を記録。食品価格は30.1%もの記録的な高騰。
・政府は510億米ドルにのぼる債務返済のため、今年70億米ドルの外貨を必要とし、20年3月に外貨節約を目的に広く輸入を禁止。
・燃料不足は深刻化し、国中のガソリンスタンドでガソリンや軽油が入手できない状況で怒りを買っている。
 電力会社も発電燃料がなく、3月31日(木)には過去最長の13時間の停電を発表。
 病院は医薬品や備品が不足し、手術治療を停止。

・政府は国際通貨基金(IMF) に救済を求め、中国とインドにも財政援助を要請。
 IMF報道官は、大統領の末弟バシル・ラージャパクサ財務大臣がワシントンに到着する予定であり、「近日中に」協議が開始されるはずと語った。

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