アーユーボワン!
8月5日(水)投票の国会議員選挙が無事終了。
昨日 8月6日(木)に開票され、結果がほぼ判明、
今日の報道は選挙結果一色。
過半数どころか、、、の与党 SLPP の歴史的圧勝。
「ポリティカルニュース」でご紹介します。
スリランカのコロナ関連ニュース
今朝の時点で、スリランカ国内の感染者 2,839人(前日比 1人増)、死者 11人(増減なし)。
スリランカのビジネスニュース
コロナ危機による国外からの送金減少につき、
南アジア地域は特に影響が大きい、とする
バングラデシュ外務次官と
世界経済フォーラムのフェローによる寄稿。
・国外からの送金は、移民労働者母国の消費を押し上げる重要な要素。66か国で、送金が GDP の 5%以上を占める。
南アジア経済圏ではさらに重要な役割を果たしている。例えば、インドは世界最大の送金受領国であり、2019年には800億米ドル以上を受領。
南アジア経済全体で、各国のGDPに占める送金の割合は大きく、ネパールでは約28%、パキスタンでは8%。
・国外からの送金は、経済機会・国際的な移民システム・国際的な金融システムに大きく依存。コロナ危機は世界で最も脆弱な人々に不均衡に影響。
・コロナ危機は、2.72億人の国際移民の主な収入源と雇用の安定を低下させた。
南アジアでは、2020年には送金額が22%以上減少。前年同月比で 2020年4月の送金額は、バングラデシュで25%、スリランカで14%減少。
・長引く経済不況は、移民の出身国への帰還を余儀なくし、経済不況と社会的混乱の悪化、ジェンダー暴力や社会的緊張をもたらす。予測される送金激減による南アジアの家計への影響は、貧困・所得格差・栄養・健康・教育での数十年の進歩を押し戻す可能性。
中央銀行総裁は、
スリランカはインフレ抑制による安定で安住せず、
成長を促進する金融・財政政策に取り組むべきと述べた。
【中央銀行総裁の発言】
・他国の中央銀行と同様、スリランカは、国民・企業・金融システム・財政当局の負担を軽減すべく流動性を提供、借入コストを削減。この安定に迎合することなく、突出した成長を求める重要な時期。
・フィリップス曲線によるところの、「おそらく決定的な破壊」の後に「物価インフレの安定性優先」を確保する政策に従っている。
・1970年代のスリランカは、ブレトンウッズ体制崩壊によりスタグフレーション(高インフレと低成長)に陥り、経済全体を閉鎖したが、今はインフレを心配している場合ではない。
安定と成長をめぐる議論の中で、主流派が最重視するのは物価上昇。しかし、デフレ圧力や少ない投資の時には、経済活動復活に金融緩和や拡大財政政策が必要であり、インフレを恐れて成長促進策を回避することは、イデオロギー的な教条主義以外の何ものでもない。
前政権下でのスリランカ政府内閣の肥大化、
特に無駄に多い閣僚ポストや
非論理的な所掌の例を挙げ、改革を求める提言。
・スリランカの経済復興主導には、グループ化により業務効率を確保し、対象分野に精通して広い視野を持った省庁長官チームに支えられた、小規模でマネジメントが容易な内閣の設置が不可欠である。
・内閣の肥大は、所管分野・部局・機関の非論理的な配分を引き起こし、重複や無駄、業務の非効率化を招く。
・スリランカのような人口2,100万人の低中所得国で 50人以上の閣僚を抱えていることがいかに非現実的か。
・2014年11月には、内閣・上級・国務大臣と副大臣による特大内閣が 108人となり、過去最高に。国会議員は225人のため、議員の 48%が閣僚だったことになる。
2018年1月にも 93人の内閣に。
・内閣の所管は、2010年〜14年の間に 11回も変更。続く 2015年〜19年の間には 32回の変更。
各変更の都度、各省庁・機関の名称が変わり、看板やレターヘッドも変更。新閣僚のなかには、内装や調度品を変更したいと考えた人もいるだろう。
・過去の非論理的な担当政策のグループ化の例として、「通信、スポーツ、外国人雇用」を一つの省の下に置いた例がある。「水道、都市計画、高等教育」を合わせる場合も、どのような論理があったのか。
・これまでの内閣では、省庁長官に経験豊富な官僚が選ばれることは少なかった。
国会議員選挙後の新政権はコロナ危機後の経済再建という困難な課題に直面しており、各省庁は経験豊富で効率的な長官を必要とする。民間・公共双方の経験を持つ人材が有用。
・効率性と政治的有効性を考慮し、次内閣は 閣僚30人と副大臣30人に限定すべきと提案されている。国務大臣や閣外大臣は、閣僚と同様の人員や特典を提供されるため、存在させるべきではない
![Kida](http://www.yasumitsukida.com/wp-content/uploads/2020/04/dfuSPgad_400x400.jpg)
とんでもねーな。。。
アメリカは、今年3月に出していた
すべての海外渡航の中止を求める勧告を解除。
スリランカは(日本と同じく)
4段階の中で2番目に厳しい「再検討を求める」に。
コロナウイルス感染拡大が深刻な
ブラジルやインドなどは、引き続き「渡航の中止」を求めている。
ソフトウエア開発 Creative Software 社は、
モラトゥワ大学と提携し、
運転手不要の自動運転技術を目指す研究に着手。
特に機械学習による AI 分野での国内研究開発を
強化し、産学間連携の緊密化を進める。
5年間でレベル4の自動運転車の導入を目指す。
スリランカのポリティカルニュース
国会議員選挙は与党 SLPP の大勝利と
スリランカ各紙が報道。
与党SLPPは、2/3 の過半数の議席を獲得、
大統領に憲法改正の権限を与えた。
定員 225名のうち、
SLPPは145議席(以上)を獲得。
北部・東部州で選挙同盟を組む少数政党が
5議席を獲得し、合計で 2/3 を占める
150議席に達した。
政党ごとの獲得議席数。ビジュアルチックに。
New York Times 紙も報道。
与党SLPPは国会議員選挙で過半数の議席を獲得、
憲法改正と大統領権限の拡大を目指す。
人権団体は懸念、と。
・SLPPは、大統領権限の拡大、マヒンダ首相の確実な続投に必要な150議席のうち、145議席を獲得。憲法改正権を得る絶対過半数に必要な 5議席の確保のため、他政党と同盟を結ぶと予想。
・2015年大統領選挙でマヒンダ・ラージャパクサ氏に勝利した新政権は、大統領職を 2期に制限、大統領の訴追免除を廃止、大統領任命を議会監督の対象とした。
・人権団体は、政府が検閲と批判者への脅迫を激化させていると野党・活動家・報道機関が非難しているなか、大統領が求める憲法改正は以前の改革を元に戻すと懸念。
野党 SJB のエラン・ウィクラマラトネ前金融担当国務大臣は、
「SJBは野党第一党としての地位を確立した。
国民を代表し、国民の我々への信頼に応え、
特に民主主義と憲法を固く守る」と述べた。
長くスリランカ政治の主役であった UNP は、
非常に低い得票率で歴史的な後退に直面。
UNPは首都コロンボ選挙区で 1議席も確保できず、
党首ウィクレメシンハ前首相、
副党首ラヴィ前電力・エネルギー大臣らが落選。
![Kida](http://www.yasumitsukida.com/wp-content/uploads/2020/04/dfuSPgad_400x400.jpg)
昨日の日中から選挙区ごとの
開票速報が携帯に次から次へと
入ってきたのですが、
ほとんどの選挙区で SLPPの圧勝。
現在の新政権への期待なのか、
前政権への失望・怒りなのか。
スリランカで生活する肌感覚では、
UNPがSJBにも惨敗したことからも
後者のように感じます。
そこにコロナ危機が襲い、
不自由はあるものの封じ込めに
成功した大統領のリーダーシップが
評価された、という構図かと。
平時に経済成長を導けなかった政権が、
コロナ危機の有事ではさらに、
と考えれば、この結果は必然かも。
人生にはムダも必要、な情報(今日のムダ)
デーブってヤツは。
ストゥティ! (ありがとう!)
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